ヨーグルトと甘夏のシフォン
(テレビなどの食レポで)「絶品です!」といいながらスイーツを口に運ぶ場面を見かけます。
でも、それは褒め言葉ではないような気がします。
もしそれが率直な感想であったとしても、すぐにおいしいと思う味は飽きるのも早いのでは…と思う私です。
さて、いまの季節にご紹介したいのが、ヨーグルトと甘夏のシフォンです。
甘夏の皮には独特の苦みがあり、その苦みをうまく調整できれば、これはいい!と脳がきらりと反応する感覚です。そこで甘夏の皮の砂糖水で煮込みながら、ほんのり苦みが酸味と合わさるバランスを見つけます。それは、何度か試作して追い求めていますが、今年のレシピが来年も使えるとは限りません。素材の力が違ってくる可能性があるからです(ここ数回はこの甘夏を使います。良い塩梅に仕上がりましたので)。
生地にヨーグルトを使うのは、しっとり感が出るからです。その生地に、多島海のように散りばめられた甘夏ピールが初夏の一瞬の晴れ間のように、さっと抜けるような心地よさが感じていただけたら、というのが作り手の願いです。
一口食べて、絶品!などとおっしゃらずに、口の中に時間差で広がっては消えていく微妙な余韻―酸味とわずかな苦みを甘味が包み込む心地よさ―を味わっていただけたら幸せです。
明日(5/24)はもうひとつ隠し玉をお出しします。
それは、チョコとミントのシフォン。
どんな結果になったかを確かめるのは、みなさまです、なんて((^^)。