howattoには魔力があるに違いない…!? -素材を見事に変身させる力のワケとは…?-
ここまでのコラムで、howattoの裕美ちゃんが、
いかに試行錯誤を重ねてお菓子を生み出しているか…はお分かりいただけたかと思います。
特に「howattoの素材」についてのコラム↵を読んでいただけると、
試行錯誤だけじゃなく、「どんだけ手間暇かけてるのよ…(涙)」
と読んでるこちらが泣いちゃうエピソードにも触れていただけると思うのですが…。
そのコラム内で、howattoのお菓子の素材については「裕美ちゃん自身がおいしいと思ったものだけを使う」というお話をしました。
でも、私は何度か、howattoに無理難題をふっかけたことがあるのです。
それは、私バンドゥーが、素材をhowattoに押し付け……じゃなかった…、
一方的に提供するということで、ある意味、裕美ちゃんを断れない状況に陥れ、
結果としてhowattoの力を試す、という暴挙に出てしまったわけです
(そもそも、そういう意図はないんだけれど…)。
田舎に住んでると、旬の野菜や果物のおすそわけをいろいろといただきますよね。
で、たまに「いやいや、これおすそわけちゃうやろ…」
っていうぐらいの数・量をいただくことも多々あるわけで…。
我が家だけではさばききれないなぁ…と思ったら、
これをまたご近所や知り合いにおすそわけしていきます。
で、この「おすそわけどっさり果物編」に見舞われた時、
私の頭にぽっと浮かぶのは、幸か不幸か、howattoの裕美ちゃんなんですね…(ごめんね)。
今まで裕美ちゃんに処理……じゃなかった…
おいしく化かして(?)もらった幸せな果物たちは…、
スモモ、キンカン、ダイダイ、ゆすらうめ、キウイ…などなど。
特に、上記のキウイは、実が小さく、追熟してもすっぱくて、私の中では「やさぐれキウイ」と呼んでいたんです…。
これはどないしても私の手には負えない…!となって、裕美ちゃんのところに放出。
そしたら見事に、おいしいキウイのコンフィチュールへと生まれ変わったのであります…!
なんだか、大勢の不良軍団が、みんな更生して超優等生になっちゃった…ぐらいの衝撃でしたね。
あと、ダイダイ。いっぱいじゃなくて数個もらっただけだったけれど
「これどうやって使ったらいいの…?」と途方に暮れて、これまた裕美ちゃんに横流し…。
そしたら、驚きのダイダイピールとダイダイカード(curd:柑橘類で作るデザートで、卵黄、砂糖、果汁、果皮を一緒に煮詰めて作る、柔らかくてなめらかなスプレッド)に変身…!
でも、このダイダイの皮はめちゃんこ苦くて(今まで食べたどの柑橘よりも苦かったらしい…)、
何度も水にさらしては苦みをとって、香りのよさを活かしたピールになりました。
私なら、一口食べて「苦っ!」ってなったらあきらめるけどなぁ…。
とにかく…、どんなにダメな子を嫁に出しても、見事に超然べっぴんさんへと変えてくれる
裕美ちゃんの根気と腕前には、ただただ「まいりました…」と言うしかありません。
2年近く前、howattoに初めて出会ってすぐにその魅力に翻弄されて、
私がフォトライターを務める瀬戸内Finder↵でもhowattoを取り上げさせてもらいました。
その取材のときに、裕美ちゃんが語ってくれ、いまでも印象に残っているのが
「お菓子は科学」という言葉です。
今回、改めて裕美ちゃんに取材したところ、想いを語ってくれました。
「お菓子づくりってうまくいかないことの連続で、
『どうしたらうまくいくんだろう?』って考えることの繰り返し。
原因がどこにあるのか考えて、観察して、探る。推察して、試作してみる。
難しいこともあるけれど、うまくいかないことには必ず原因があるので、
それを見つけて直してみる。きっとうまくいく♪
だからお菓子づくりはワクワクするんです。
こういう部分で、お菓子づくりって科学なんだろうな…って思う」
そもそも科学とは…
一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。また、その成果としての体系的知識。
デジタル大辞泉(小学館)より引用
こうやって読むと「むむむ? どういうこと?」となるわけですが、
「なんでこうなるの?(結果)」ということを、実際に起こる現象から分析・研究して
「なぜならこうだから(理由や因果関係)」ということを洗い出す。
つまり、「Why」に対しての「Because」を見つけるってことかなと私は解釈しました。
そこまで考えた上で、改めて感じたことは…、
事象を集めて、原因と結果をこつこつ探すなんて、
お菓子づくりに限らず、こらえ性のない私にはできないー!
でも、裕美ちゃんはこのプロセスでhowattoのお菓子づくりをやり遂げてるんですね…。
この裕美ちゃんの言葉には感涙するしかないんだけれど…、
私にとっては、もう未知の領域。
こんなふうに根気よく、あきらめずにお菓子づくりを継続できる裕美ちゃんの性格に、
ただただ感動です…!
そして、howattoが一番心がけているのは
「素材の“相性”を最高のものにする」っていうところなんです。
「徳島には素晴らしい食材がたくさんあるからそれを活かしたい。
それぞれの素材の良さをどんなふうに表現できるか?
どんな食材と組み合わせるともっとおいしくなるのか?
違ったおいしさが出せるんじゃないかな…?
完成した味を食べる人はどう感じてくれるだろう?
などなど、考えだすとワクワクが止まらないんです♪」
ありがとう、howatto…。ありがとう、裕美ちゃん…。
これもほんまに「科学」ですなぁ…。
今回取材して、裕美ちゃんにとってお菓子づくりがいかに天職なのか、
改めてよーく分かりました。
お菓子好きだけどサイエンスゼロの私が、サイエンス100%の裕美ちゃん…
つまりhowattoに出会うという奇跡を与えてくれた神に感謝レベルです(どんなレベルだよ)。
冒頭のタイトルでは「howattoには魔力があるに違いない」と書いたのですが、
実は、魔力とは対極の「科学」しかそこにはなくて、
科学的アプローチで生み出されるお菓子だからこそ、
とことん追求したおいしさが実現している、
つまり、やっぱり時間と努力の積み重ねで生まれているのが絶品と名高いhowattoのお菓子である、
と、今回「科学的に」実証されたと言ってもいいでしょう!
マジックなんかじゃなかった…! お菓子は「科学」なんですね!
裕美ちゃんを「スイーツの魔術師」↵なんて称させていただいていたこともありましたが、
これからは「スイーツの科学者(scientist)」と改めなければ…!
センスとサイエンスから生み出されるhowattoのおいしいお菓子の数々、
これからもどんどん世に送り出してください…! 楽しみっ
書いた人:板東悠希(Studio Bang-Do! ↵ スタジオ・バンドゥー)
徳島生まれの徳島育ち。
阿波弁と英語の“なんちゃってバイリンガル”。
屋号は「スタジオ」と銘打っていながらも手掛けるのは…
ライターとして雑誌(阿波おどりグラビア誌『阿波楽』)やwebサイト(瀬戸内Finder)の取材・原稿執筆をはじめ、
海外デザイナーやメーカーと日本企業とのやりとりの通訳・翻訳、アテンドをしたり、
日本の中小企業の輸出や海外展示会のサポートをしたり、はたまた、瀬戸内国際芸術祭2019のオフィシャルツアーガイドをしたり、
…と「スタジオ」っぽくない仕事ばかり。
…とはいえ、幅広いフィールドで活動中。
howattoのお菓子に出会ったときから、シフォンケーキもビスコッティも大好物となり、
新作のお菓子については、「連絡せずとも自動的に予約」を強制発動させることにしている。
おかげで、糖質制限ダイエットなど、考えたこともないし、考える余地もない…。