丹波栗のガトーショコラ

丹波栗のガトーショコラ

(友人に書いてもらいました)

howattoというと、素材系の菓子の印象があります。小麦や柑橘などの原材料の素のおいしさが漂うのですが、それが感じられると生きているなという実感です。おいしい、おいしくない、見栄えがする、しないなどのモノサシ(いわゆるグルメ志向)とは対極の食べることの本質を見せてくれる魅力といいましょうか。

店主の伊豆田裕美さんのご依頼を受けて丹波栗のガトーショコラ(試作品)をいただきました。ガトーショコラは、ぱさぱさしない、水気を含んだしっとり感で、看板商品のプレーンシフォンに通じるものがあります。

丹波栗は、丹波篠山地方で栽培される和栗です。丹波地方の土壌は肥沃で酸性が高く水はけが良いとされています。さらに昼夜の温度差が大きなことから、粘りと甘味を持った大粒の栗が収穫されます。

この栗と、ベルギー産のチョコレートを使ったのが丹波栗のショコラです。そのチョコレートは、カカオマスを使った割合が高く、香り高いのが特徴です。チョコのかけらとなった原材料をいただいたのですが、これを食べたら市販のチョコレートは食べたくなくなる印象でした。このチョコレートを使った素材に、さらに一工夫(企業秘密だそうですが、聞いてみると「なるほど」と思いました)を加えたことで、しっとり感が生まれました。

その結果、濃厚でありながらくどくないショコラ生地に、甘さを抑えた丹波栗を合わせることで、ショコラの部分だけ、ショコラと丹波栗、丹波栗のみを食べる瞬間に分かれて味わえる、まさに素材の二重奏、食べ方の三重奏が生まれました。季節の変わり目の少し疲れたこころと身体にうれしい甘味かもしれません。

丹波栗のガトーショコラは、10月18日と10月25日のみの販売だそうです。お楽しみに。